2019年6月20日  木曜日 (晴)室温28°湿度55%



自転車系の小説、熊谷達也著「エスケープ・トレイン」

ツール・ド・フランスに代表される自転車ロードレースを題材にした作品で
ではさらっとストーリー。
エルソレユ仙台に加入しプロとして走り始めたばかりの小林湊人、
まだめぼしい成績は残せていないものの何とか契約更新を済ませ安堵していたところに
新規メンバーとして梶山浩介が加入する事を聞き驚く。
梶山は16年前ヨーロッパに渡りツール・ド・フランスに八回出場、世界トップレベルの選手で
今季限りでの引退も噂されていたが結成六年目のエルソレイユ仙台に入るような選手とは思えなかった。
そして梶山の加入でチーム、何より湊人は変わり始めるのだが...
自転車ロードレースを題材にする作品はちらほらあって
理由は団体競技で常にチームオーダーがあるためドラマが生まれやすいからではないかと思われ
この作品でもサポート役だった主人公がチームのエースへと成長して行く様が描かれている。
その辺りの自己犠牲の精神は日本人受けする内容で
様々なキャラクターが織り成す人間ドラマも読んでいて面白いんだけど
ロードレースの独特なルールやしきたりを説明、解説してる部分も多く
物語りとしてはちょっと短過ぎる感も。
終わり方からして続編がありそうな気配だが
是非シリーズ化して今度は純粋にレースを描いて欲しいかも。

自転車通勤の人は読めば思わず立ち漕ぎ、ダンシングしたくなる事間違い無しか


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