2022年9月28日 水曜日(曇)室温26°湿度60%



ボクシング系の小説、角田光代著「拳の先」

以前ここでも紹介したことのある「空の拳」の続編でボクサータイガー立花のその後と
再びボクシングにのめり込む雑誌編集者・空也の物語となっており
ではサクッとストーリー
念願だった文芸編集部へ移動となり二年の月日が経ちボクシングともすっかり距離の空いた空也。
恋人もでき忙しいながらも充実した日々を過ごしていたが
ある日、知り合いの作家にボクシングの試合に連れてってよと言われ
久しぶりに鉄槌ジムを訪ねる事となる。
そこには時間の経過を感じさせない普遍的なものがあり再びボクシングの魅力に引き込まれて行くのだが...。
今作のテーマは様々な恐怖に対して立ち向かうのか、逃げるのかにあるようで
強いと言う意味も含め深くなり過ぎてちょっと禅問答的な部分も多い。
「強くなればなるほど楽ではなくなる」ともあり
どこまで行っても終わりはないようで、だからって諦めればその場から動けない気もし
ほんと何事もままならないよなと読んでいてふと思ったり。
結局はどんな形でもよいから「信じること」「続けること」に尽きるんだろうか

そうでも思わないとぐるぐる走ってらんないもの


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