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スポーツ系の小説、篠田節子著「セカンドチャンス」

マスターズの競泳大会を題材にした珍しい小説で、ではサクッとストーリー
主人公の麻里は長年の看護の末、両親を看取り気がつけばお一人様の五十代、
周囲の期待に応え自分のことは後回しにしてきたのを後悔はしてないものの
先の見え始めた人生に諦めのようなものも感じていた。
しかも健康診断では不摂生を指摘され運動不足を言い渡される始末。
そこで麻里は一念発起、エクササイズのつもりで水泳教室に通い始めるのだが
事態は思わぬ方向へと転がり出すのだった....
「マスターズ」って言葉は聞いた事があったが陸上や水泳のような個人競技に多いらしく
いわゆる年代別の記録会という感じだろうか。
そうは言っても本気な人はもちろん居るわけで健康目的な人達とのギャップや軋轢は
社会の縮図のようで読んでいて面白い。
特に水泳は陸上と違って近所の川で泳ぐってわけには行かないので
どうしてもクラブや施設での人間関係が生まれ、そこが面倒でもあり新たな刺激でもありそう。
何事もベストを尽くすってのは気持ちの良いもんだけど
結果が、記録が気になるのも人の性でその辺りの匙加減が難しい

楽しめる範囲で留めないとなぁ、自分を戒め中


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